私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

IKONTAのカメラ

 小学校の運動会をカメラで撮る父親達に交じって、独り旧式の蛇腹カメラを構える父の姿が、私は少し恥ずかしかった。よその父親は皆、上からのぞく方式の二眼レフカメラだ。しかし、二眼レフがあっという間に廃れたのを見てからは、父の舶来品の上等カメラを卑下する気持ちがなくなった。
 私が大学生になった1965年に父は私にカメラを譲って、28年のカメラマン生活に終止符を打った。私は6年後の71年にオリンパスのコンパクトカメラを購入するまで父のカメラを愛用し、行事や旅行を記録した。閃光電球のフラッシュを取り付けて、暗い場所でも撮れるようにした。フィルムが5cm近い大きさで、35mmフィルムを使えないのが不便。16枚撮りしか売っていないし、高い。71年に海外旅行する機会を得たとき、カラー写真用のカメラが欲しくなって買い替えた。IKONTAのカメラは、以来現在に至るまで使用の機会はなく、引き出しに仕舞いっ放しである。

父のIKONTAのカメラ

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