中学校のテスト
私の通うS小学校からの進学先は、住所によって3つの新宿区立中学校に分かれる。私の校区はY中学校だが、一番多いのはB中学校。Y中学校の校区に住んでいても寄留してB中学校を選ぶ子が少なくない。B中学校は正規の授業が終わってから補習を毎日行い、宿題も沢山出すし、テストのたびに生徒の順位を公表するとかで、ランクの高い都立高校を目指すにはのんびりしたY中学校よりB中学校に行くべきという空気がS小学校内にあった。近所の神林医院のカンちゃんもB中に決めた。通学距離の短い学校優先の我が家は当然、Y中以外は選択肢にない。シマちゃんはY中のすぐ近くに住みながら、やはりB中を選んだ。4人きょうだいの末っ子のシマちゃんは上の3人に比べて学業成績が振るわず、両親は心配だったらしい。兄2人は麻布中学を受験し、姉も有名私立中学校に進学したと聞く。シマちゃんは、「下校時刻が毎日遅いので級友と遊ぶ時間がなくて残念だった」と後年私に話した。私は毎日のように級友と互いの家を行き来して、夕食までの時間を楽しく過ごしたが。
3学期に3つの中学校が次年度入学生を招集し、国語・社会・算数・理科の4教科の筆記試験を行った。組分けの参考資料にするのだという。3つの中学校の招集日は異なり、B中の日はごそっといなくなって、教室内が寂しくなった。Y中学校の試験を受けた私は、社会の1題が分からなかった。試験の後同級生に尋ねてみたが、誰も正解が分からない。翌日登校するや早速ヤイに、「こんな問題が分からなかったの?」とあざ笑われた。ヤイはB中の校区だ。彼女は満点を取ったに違いない。ヤイはB中入学後、学年で1位のことが多いという評判がY中の私にも伝わってきた。
シマちゃんと私:蓮田君が撮ってくれた