台上前転
私が京都市の公立高校教諭だったとき、「もう次の授業が始まるから早く教室に戻りなさい」と私が生徒達に促すと、「次の授業はあらへんねん。阪神が負けた翌日はいっつも学校を休む先生やから。」 私は驚いたが、そんな人間も世の中にいることを生徒が知るのは良いことだとも考えた。ちょっとひど過ぎる? 普段は素晴らしい授業を施していて休んだ分の埋め合わせができているなら、それでよい? ちなみに生徒の出席簿は各教科担任が持っているのに、教員対象の出勤簿はなく、出勤ボードもタイムレコーダーもなかった。私は職員会議のときだけ職員室に行くほかは化学科準備室に閉じこもっていたので、私の出欠状況を校内の誰も把握していなかったはず。校長が放任主義というより権威がなくて、職員会議で一言発するたびにほかの教員達から百言の抗議を受ける校長だった。
外遊びが嫌いな息女も私と同様運動能力が劣っていたから、3年生のときにスポーツ少年団に入れた。団員は女子だけで、親切な上級生達と一緒に跳び箱や大縄跳び、水泳などをして、息女は楽しく通った。跳び箱も人並みに跳べるようになる。台上前転がきれいだと学級担任に褒められ、クラスの子供達の前で模範を示したこともあるそう。私も楽しく指導してもらっていたら、劣等感に悩まずにすみ、小学校の生活が一変していたかも。息女はスポーツ少年団で教わった種目は上達したが、球技などその他の体育は私と同等に駄目で、彼女の小学校生活も楽しそうではなかった。
台上前転:イラストポップより