東京都のブログ記事
歩く辞書
幸子は祖母(彼女の母)に素っ気ない。妹の洋子ばかりかわいがると子供の頃から恨んでいた。幸子は長い間3人姉妹の末っ子だったのが、8歳のときに洋子が生まれ、家族の関心が一斉に美人の洋子に集まった。祖母が洋子を溺愛しているのは、私にも感じられた。幸子が懐いていた芦屋の叔母ちゃん(私の祖父の妹)も洋子の... 続きをみる
浪人
1・2年の小野学級で一緒だった真野さんは、珍しく4人姉弟の総領である。きょうだいの多い人は大概末っ子なのだが。彼女に大学時代に会ったとき、「うちはわたしが一番成績が良うて、下にいくほどあかんねん。三女は女学院に落ちて浪人して1年遅れて入ったんえ。末っ子の弟は灘を受けることもでけへんかった」と話し... 続きをみる
長谷川一夫
近所に住む親戚のミネは、長谷川一夫(俳優)の付き人のような仕事をしていた。彼女は長谷川一夫に心酔し、我が家に来ても彼男の話ばかりする。私達の前でも彼男を『先生』と言う。私の両親は彼男をもちろん呼び捨てだが。自宅でも夫を相手にやはり彼男の話に夢中だったのだろうか? 子供がいないことも一因かもしれな... 続きをみる
通天閣
兵庫県時代の父との外出で強く記憶に残っているのは、宝塚の『ウエーブコースター』に乗ったこと。『ウエーブコースター』は1952年(昭和27年)にできた日本初のジェットコースターである。どんな遊具か興味を持った父が、私とマイコを出しに使って連れていったのだろう。父は前の座席に座っている私とマイコが吹... 続きをみる
まりつき
まりつき、ゴム跳び、馬跳びのような女の子だけの遊びは、木登りや缶蹴りより取っ付きやすく、それなりに上達して、友達とほぼ互角に遊べるまでになった。 まりつきは、『1もんめのイすけさん、イの字が大好きで、一万一千一百億---。2もんめのニすけさん、---』という数え歌に合わせてゴムまりをつく。足の... 続きをみる
2歳の記憶力
いち子伯母一家と私の一家は二階に住んだ。私達の住まいは道路に面した一番狭い部屋で、屋根裏部屋みたいに天井が斜めになっている。3人の布団を敷いたら畳はほとんど見えなかったように記憶する。食事は小さな長方形のちゃぶ台でとった。食事以外のときはちゃぶ台の脚を畳んで壁に立てかけておく。大阪に転居する前の... 続きをみる
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