私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

どこの大仏?

 幼少期の写真は写真館で写した物しかない友人が多い中、私は父のカメラで撮った写真を沢山持っている。カメラが家庭に普及し始めたのは50年代になってからだが、なんと父は37年(昭和12年)に購入していた。学生時代に一郎伯父にねだって買ってもらったドイツ製のIKONTAというカメラである。「普段なんにも欲しがらへんやつが珍しい、買うてほしいもんがある言うさかい、二つ返事で承諾したら、目が飛び出るほど高うてびっくりしたわ」と、晩年の一郎から聞いた。
 中澤家の『松下幸之助』である一郎に養ってもらっていた父は、実の親と違って遠慮しながら子供時代を送らねばならなかったようだ。父方の祖父は43年まで生きたが、かいしょうがないだけでなく、家族に尽くす気持ちもなかったらしく、子供達からの評判はすこぶる悪い。反対に38年に亡くなった祖母は、先妻の子である一郎達にも好感を持たれていたみたいで、父はマザコンだった感がある。
 父が大仏の膝に座った写真が結婚前の古いアルバムに貼ってある。軍服を着た丸刈り姿の写真も残っている。東大病院に入院中の祖母や、若い一郎伯父も写っている。(父は、東大病院の誤治療で祖母が亡くなったのだと言って、生涯東大病院を恨み続けた。)結婚後の父はカメラマンに徹して、専ら私達家族の写真を撮っていたので、父が被写体の写真はほとんどない。
 当時のフィルムは感度が悪かったのだろう、いつも屋外で写している。印画紙の大きさは5cm×6cm。名刺判になったのは私が小学校に入学してからである。

大学生の父
どこの大仏でしょうか?
分かる方がいらっしゃったら教えてください。

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