私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

掘りごたつ

 新居には京都の家と同じ掘りごたつがある。椅子のように足を下に下ろして座れる。冬以外は布団を取って、ただのテーブルとして使い、食事だけでなく、本を読んだり、トランプなどのゲームをしたり、私にとって最も居心地のよい場所だった。私より寒がりのマイコが足を下ろさずに正座すると、父が足を伸ばせと怒る。そのおかげか私達姉妹は胴長短足の両親に似ずにすんだ。私は低い座高の割には足長な方だ。膝も出ていないと、大学時代に友達が羨ましがってくれた。正座の生活を続けると膝の皿の部分(膝蓋骨)が前に出てくるらしい。従姉の澄子(隆の姉)が後年、「食事のときに足を崩すと、お父ちゃん(二郎伯父)に物差しでたたかれた」と言うのを聞いて驚いた。二郎伯父の弟である父の教育方針が兄と正反対でよかった!
 こたつには木炭や練炭を使う。火起こし器に入れて台所のガスコンロで赤くなるまで加熱し、それを掘りごたつの部屋に運ぶ。こたつに頭を突っ込んで灰の上に置く作業は、鼻の中が真っ黒になると、母がよく愚痴っていた。輪ゴムをうっかり落とすと、ゴムの燃えるひどい臭いに襲われる。輪ゴム以外に紙切れなども落としたが、火事沙汰になったことはない。こたつにしても、火鉢にしても、炭火はたき火のようにはでな燃え方をしないから安全なのかも。

練炭:Wikipediaより

×

非ログインユーザーとして返信する