私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

桃太郎

 ハナのお産まで、よりちゃんといくちゃんは、「お母さんのおなかがぽんと割れて赤ちゃんが生まれてくるねんで」と桃太郎の話のようなことを信じていた。私は既に父から、「オシッコが出るとことウンコが出るとこの間に赤ちゃんの出てくるとこがあって、そこからキリコとマイコは生まれてきたのや」と説明してもらっていた。父は性の話をするのが恥ずかしくなる前に教えておこうと考えたのだと、後年母から聞いた。「お尻を拭くときは、前の2つがウンコで汚れないように、前から後ろへ拭くこと」とも、父から教わった。母はそのような注意は全くしない。父の説明で私が誤解したことがある。女児は母親が、男児は父親が産むのだとしばらく思い込んでいた。≪わたしとマイコは女の子やからお母ちゃんから生まれた。≫
 私の息女は幼児期に、赤ちゃんの種を母親が食べてそれを体内で大きく育てるのだと信じていた。自分がまた私に食べられるのではないかと不安だったらしく、「お母さん、もう食べないでね」と何回か言った。種の話を私は全くしたことがないのに。よそで耳にした事柄を自分の頭でまとめたようだ。
 息男とは一緒に、出産の様子を映すNHKのテレビ番組を見た。赤ちゃんの頭が産道から出たり入ったりするところから、足が出終わるまでを実写したドキュメントである。小学1年だった彼男はさして強い関心を抱いている風はなく、普通の顔で見ていた。
 私はその前年、息女の妊娠中に、病院で出産の動画を見せてもらっていた。息男を帝王切開で産んだ私は、次は自然分娩を希望していたので、興味津々で動画を見たが、妊婦は結構年配で、苦痛にゆがんだ顔や少したるんだ下半身は、年齢よりさらに老けて見え、NHK番組のようなきれいな映像ではなくて、ちょっと引けた。出産時だけでなく、妊娠末期の女性は老けて見える人が多い。妊娠は女性に大きな負担を強いる。子供を12人産んだ与謝野晶子のように、妊娠中も心身共に元気で偉業を成し遂げる女性もいるが。

イラストわんパグより

×

非ログインユーザーとして返信する