私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

左利き

 国語の授業は最初の数時間、自分の名前を平仮名でひたすらノートに書かされた。『なかざわきりこ』を繰り返して書く作業にうんざりして、隣の西本君を見ると、『にしもとよしかず』とまじめに書き続けているので、私も名前書きを再開するしかない。
 左利きの堀内君を叱る小野先生の声がしばしば聞こえた。堀内君が鉛筆を左手で持つたびに先生が注意する。現在では矯正を強いるべきでないとされるが、当時は右利きに直す教育が当たり前だったようだ。右利き用に作られた道具が多いので、左手しか使えないと不便だし、箸を左手に持つと行儀が悪いと考える人もいる。左利きの友人達は成人して両手使いになっている人が多い。彼らを羨ましく思う私は、息男の誕生後、右利きの彼男の左手にスプーンを渡すように心掛けたが、すぐに右手に持ち替えてしまって、両手使いに育てることはかなわなかった。

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