私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

銭湯

 京都の町家には風呂場がないから皆、タオルと石鹸と金だらいを風呂敷に包んで銭湯へ行く。昭和になって建てた一郎伯父の豪邸には立派な浴室があるが。女性の洗髪は別料金が必要。一日置きに銭湯に通って、4日ごとに洗髪するのが普通だったようだ。脱衣場の番台に男性が座っていても女性達は平気で裸になる。脱いだ衣服は1人ずつ柳行李に入れて棚に収める。自分の柳行李を銭湯に預けている人もいた。
 関東と違って壁に富士山の絵はない。壁も床もタイル張りである。関東では富士山の絵の下に浴槽があるが、その位置に小さな浴槽があり、大きな浴槽は浴室の中心にある。銭湯の湯は高温だから、私はいつも少しぬるい小さい方の浴槽に入った。大浴槽の真ん中に女男を隔てる壁が立っている。浴槽の湯は仕切り壁の下でつながっているのだと思う。壁と天井の間に隙間があって、大声で怒鳴れば女男で会話もできる。高校に勤めていた頃に修学旅行で行った九州の旅館の浴室も、京都と同じ造りだった。生徒達が石鹸を女男間で投げ合って遊んだと報告してくれた。

柳行李:江戸東京博物館

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