私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

銭湯2

 椅子は不公平にも男性の浴室にしかなく、女性は床に正座する。蛇口が並んでいる流し場は、大浴槽の反対側の壁のみで、大浴槽の前に座って、浴槽からおけで湯を汲んで体を洗っている人が多い。東京に転居してから一度銭湯に行ったことがあり、カランがずらりと何列にも並んでいてびっくりした。浴槽におけを入れたり、浴槽のそばで石鹸のあわを飛ばしたりしてはいけないとのこと。東京の方式の方が衛生的かもしれない。
 私は浴室で排尿する習慣にしていたので、銭湯に行く前にトイレで済ませても条件反射で尿意を催してしまう。たらいのお湯を体に掛けながら排泄してごまかした。
 脱衣場には籐むしろが敷いてあり、シーリングファンが回っている。ハエ取り紙もぶら下がっている。体重計があり、貫の目盛りが振られていた。私が5貫目(19kg弱)のとき、マイコが4貫目(15kg)だったことを覚えている。家に体重計がない時代だから銭湯客にとってありがたかっただろう。肩たたき機(マッサージチェア)とヘアドライヤーはコインが必要である。ヘアドライヤーは美容院にあるような頭全体を覆うものだ。携行できる小さなヘアドライヤーが家庭で使われるようになったのは、1960年代以降だと思う。

銭湯の体重計

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