幼児のよりちゃんといくちゃんは、冬場長ズボンの上にスカートをはいている。ズボンとスカートの両方をはく子はＴ市のような田舎に住む幼児でも珍しい。防寒のために長ズボンをはかせるおばちゃんと、スカートをはきたい２人との妥協ファッションなのだろうか？　まりつきのまりを後ろで受けるのにスカートは必要だし。おしゃれにうるさい母は、２人の奇異な格好にあきれ返っていた。しかし今世紀になって、ズボンの上にチュニックを着るファッションが普通になっている。幼児用の『スカッツ』は正によりちゃんといくちゃんが着用していたボトムスだ！
　当時毛糸のパンツをはく女の子が多かったが、母は私達にパンツが見えないぎりぎりの丈のスカートを着せていたので、真冬も木綿のパンツ１枚で通した。女児達の一般的なスカート丈は、足の付け根と膝の中間ぐらいである。いつも目立つ服を着ている私は、友達の家で遊んでいるとそこの母親に、「ちょっと見せてね」と言って母の手作りのスカートの裾をめくったりされる。それを母に報告すると、「裏は手を抜いて雑やから見られとないわ。」と決まり悪がる。