私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

第一次反抗期

 50年(昭和25年)11月に2歳になったマイコは、第一次反抗期がすごかった。地団駄を踏んで、「嫌や、嫌や」と大声で叫ぶ。挙げ句の果てには、あおむけに寝転んで手足をバタつかせ、泣きわめく。大丸デパートの中でもよくひっくり返って大騒ぎした。なだめても効果がないときは、母は私の手を引いて走り出す。するとマイコも起き上がって、大泣きしながら私達の後を追ってくる。私達の追い掛けっこを周囲の人が見ているので、私は恥ずかしかった。マイコを放置して走る母に、「若いお母さんは違うねえ」と批判的だったかっちゃんの母親も、マイコの強情の実態を知ってからは、母の苦労に同情するようになったそうだ。父は怖いから父の前ではそこまで強情を張らないが、父はマイコのふくれっ面を見るたび、「三角の目や」とからかった。目が三角形になるらしい。従順な私はもちろん目を三角にしたことなどない。
 マイコの二女の第一次反抗期も、マイコに劣らずすさまじかった。しかしマイコの対処法は母と違う。大声で泣き叫ぶ二女の気持ちがよく理解できるらしく、彼女のどんな主張でも容認する。容認が不可能な場合も、怒り狂う彼女に、「ごめんね、ごめんね」と謝ってひたすら下手に出る。周囲の迷惑を顧みずに彼女本位の行動をとるマイコの育児法に、私は賛同できなかったが、それが功を奏したのか、彼女は現在、気配りの行き届く好印象の女性に育っている。私の子供達は私に似て第一次反抗期がなかったので、マイコの対応の仕方の是非は今もって判断できない。ただ、一番の被害者は長女だったのではないかという点が、私は気に掛かる。二女の傍若無人な要求を通すために、長女はかなりのしわ寄せを受けていた感がある────と思うのは、私が長女のせいか?

第一次反抗期:光の子会のサイトより

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