私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

ひいき

 先生達からひいきされているなと感じる子がクラスにいた。彼女はしょっちゅう褒められて、「きょう子ちゃんのようにしましょう」と、私達の行動の手本にされる。ある日、きょう子ちゃんが描いた絵に先生達が感心して、彼女に四つ切りの画用紙を渡し、「これに描き直してちょうだい」と頼んでいるのを、私は横で見ていた。私達は普段八つ切りの画用紙を配付されている。彼女はすぐに、自分の描いた元の絵を拡大しながら、四つ切りの画用紙に写し始めた。彼女の絵がそんなに素晴らしいと私は思えず、納得がいかなかったので記憶に残っているのだろう。絵画教室に通っている私は、絵だけはちょっと自信を持っていたようだ。私の描いた絵が選ばれるべきだなどという不遜な気持ちはもちろんない。私は級友の皆と歩調を合わせられれば本望で、皆より前に出たいなどという欲望は皆無だった。
 幼稚園の同級生で今も覚えている子は、きょう子ちゃんと、ブランコのいじめっ子のひろ子ちゃんと、小柄のか弱そうなたみ子ちゃんと、五郎ちゃんの4人だけである。幼稚園のクラス写真には、五郎ちゃんのほかにも小学校で同じ組になった子が何人も写っている。彼らとの小学校の思い出はあるけれど、幼稚園時代の記憶は全くない。彼らの眼中にも私の姿はなかったろう。きょう子ちゃんとは私が5年のときに転出するまで同じ組にならなかった。ひろ子ちゃんとたみ子ちゃんは私立の小学校に行ったのか、K小学校に在籍していない。よし子ちゃんも私立に進学したと母から聞いた。

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