私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

破傷風

 日曜日は父にとって1週間の睡眠不足を補う日だから、家族で外出することは滅多にない。来客も親戚以外にまずなかったが、囲碁好きの会社の部下だけは月に1回くらいの頻度で、父に囲碁の指導を受けに来る。彼男に慕われて父はよい気分らしく、鬱陶しがらずにいつも機嫌よく『愛弟子』の彼男の相手をしていた。
 ほかに我が家を訪れた数少ない会社の同僚の中で印象に残っているのは、4人家族全員でやってきた一家である。私とマイコも訪問客の2人の子供と楽しいひとときを過ごした。彼らの来訪からほどなくして、妻が破傷風で亡くなったと父から聞いて驚いた。あんなに仲むつまじく幸せそうな家族だったのにと気の毒で仕方がなかった。それから何カ月か後に同僚が再婚したと聞いたとき、私はさらに驚いた。仲良し婦夫に見えたのに、妻の死後数カ月で新しい妻を迎えるとはなんて薄情な男だろうと、当時の私はあきれてしまった。今思うに、当時の男性は家事ができないからシングルファーザーの生活は不便で、すぐに周囲が見合いを勧める風潮だったようだ。後妻になった女性と子供達は幸せな家庭を築けただろうか?

イラストacより

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