私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

カルピス

 我が家で夏に来客に出す飲み物はカルピスである。冷蔵庫のない我が家では、ほかの清涼飲料水は気温と同じ温度で飲まねばならないが、カルピスは水道水で数倍に希釈するので、水道水の冷たさになる。四郎叔父の家には木製の冷蔵庫があり、水道水より冷たい物が飲めて羨ましい。三ツ矢サイダーやバヤリースオレンジが冷蔵庫に入っている。麦茶もサントリーウイスキーの角瓶に入れて冷やしている。電気冷蔵庫はまだ普及しておらず、氷屋で買った氷を冷蔵庫の上段に置いて下段の物を冷やす単純な構造。祖母父の家にも同じしくみの冷蔵庫があるが、冷たい飲み物は置いてない。私が小学校2年か3年のときにようやく象印のジャーを父が買ってくれた。炊飯器くらいの大きさの魔法瓶で、木製冷蔵庫よりはるかに容量が小さいけど、冷たい物を家で飲食できるようになったのは、跳び上がるほどうれしかった。
 祖母は麦茶に塩を入れる。四郎の家と我が家は入れない。東京では砂糖を入れることを知って驚いた。私は何も入れないのが好きだ。いつからか全国的に麦茶に何も入れなくなった。紅茶も砂糖を入れない人が多くなったように思う。1986年(昭和61年)にホームステイに来たアメリカの中学生は、煎茶にも砂糖を入れたがったが、私は認めなかった。
 私がトマトジュースを初めて飲んだのは、高校生のときに父の知り合いの結婚披露宴についていったときである。私はトマトが野菜の中で一番好きなのに、トマトジュースはまずくて愕然とした。ペットボトルのトマトジュースを家族のために頻繁に買っていたが、私だけ飲まなかった。塩が原因だと気付いたのはそれから50年後である。60代になったある日、瓶入りの無塩のトマトジュースをもらって飲んでみたら、生のトマト並みにおいしくて感激した。ペットボトルのトマトジュースも食塩入り全盛期から今は無塩が主流になっているので、私も毎日飲んでいる。

カルピスの広告:Wikipediaより

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