私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

勝手口

 山本さんの家は勝手口から出入りする。玄関から入れてもらったことは、我が家が東京へ転出するまでの5年半の間に一度もない。玄関は賓客専用らしい。子供に玄関を使わせない家は結構多い。我が家は家族も玄関から出入りするが。山本さん宅の勝手口から上がった台所は、床に食べ物の欠けらや汁が落ちていて、踏むと気持ちが悪いから私はいつも爪先立ちで歩く。幼児のいる家の床はべたついている所が多い。我が家は母が気を付けてくれているので、きれいでうれしい。私とマイコも食べながら走り回ったりせず、床をあまり汚さない。
幼児がいなくて整然としていても特有の臭いを醸す家が当時は多かったが、我が家は臭いもほとんどなかったと思う。自分の家の臭いには気付かないそうだけど、臭いの強い家が少なくなった現在振り返って、我が家はやはり当時から無臭に近かったと確信する。結婚後の我が家は、両親と違って婦夫そろって掃除嫌いだから、不快な臭いを放ってきたかも。
 山本さん宅は二階建てで、二階に木製の広いバルコニーがあり、そこが物干し場になっている。平屋の我が家は庭に洗濯物を干す。山本さん宅の物干し場は見晴らしがよくて羨ましい。高い板塀に囲まれた平屋の我が家からは外の景色が全く見えない。塀が低いとよそから丸見えだし、塀を簡単に乗り越えられるので不用心だと当時は考えられていた。現在は常識が一変して、敷地に入った不審者がフェンスの外からよく見えるように作るが。

イラストacより

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