私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

床の間

 我が家には火鉢がなかった。「火鉢は暖こない」と父は好まなかったが、よその家では火鉢の上にやかんを乗せ、水蒸気で部屋を暖めていたようだ。我が家には扇風機もなくて、暑がりの私は友達の家が羨ましかった。私の観察に因ると、火鉢と扇風機はどの家にもあり、掘りごたつはない家の方が多かった。
 掘りごたつの周りを走って、マイコと電車ごっこをしたことがある。「わたしが運転手で、マコちゃんは車掌さんや」と言って、マイコに私の後ろを走らせるが、速く走れない彼女は次第に私から遅れ、すぐに1周分の差がついて、私が彼女の後ろになってしまう。「わたしが前や」と何回やり直しても私は運転手役を全うできなかった。
 床の間で電車ごっこをしたこともある。両親は床の間の上で遊んでも怒らない。「電車に乗ってんねんから揺れてなあかんよ」と私がマイコに命じて体を揺すらせていると、それを見た母が、「マイコ、オシッコしたいのと違うか?」と慌てて声をかけた。床の間に漏らされては一大事だと思ったらしい。

床の間で遊ぶマイコと私

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