アウトドアが苦手な私だが、なぜか水浴だけは好きだった。水が澄んでいるので、背の立たない深さでも湖底の石がよく見える。湖の中は砂でなく、石がごろごろしていて、歩くと足の裏が少し痛い。小魚の群れが時折通る。タオルを広げて魚をキャッチアンドリリースして遊んだ。琵琶湖に行かなくなって50年たつが、現在の透明度はどのくらいなのだろう？
　浮き輪用に、飛行機のタイヤチューブが用意してある。両親と沖の方へ泳ぎにいくときは、私もマイコも浮き輪をかぶって、バタ足で両親についていく。市販の子供用の小さな浮き輪で沖に出るのは不安だが、飛行機のタイヤチューブは浮力が大きくて心強い。大人達もタイヤチューブの上に寝転んで、プカプカと波乗りを楽しんだりしている。琵琶湖は海と違って大きな波が来ないから、揺りかごにでもいる気分だ。バルブが内側に付いているのが難で、うっかりすると背中をひっかいて痛い思いをする。

飛行機のタイヤチューブ