私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

いちごスプーン

 我が家の野菜の消費量は少なめだが、果物は大量に摂取する。冬場は手の平が黄色くなるくらい温州ミカンを食べるし、現在なら売り物にならないと思えるほど酸っぱい夏ミカンも、おやつによく食べた。食後のデザートのときは、母が夏ミカンの小袋を外して皿に並べ、砂糖を掛けてくれる。近所の山本さんのおばちゃんから、「夏ミカンよりハッサクの方が酸いないよ」と聞いて、我が家もハッサクに替わった。イチゴは甘い練乳を掛け、スプーンで潰すのが、よそ行きの食べ方だった。当時の果物は全般に今ほど糖分が高くなかったからだろう。1960年ごろイチゴを潰す専用のスプーンが現れた。私は夏ミカンにもイチゴにも何も掛けないで食べるのも好きだったが。リンゴは、赤い皮を耳に見立てたウサギに切ってくれたり、卸してジュースを作ってくれたりする。体調を崩して寝込んだときはいつもリンゴジュースを飲ませてもらった。リンゴは木箱で運搬された。板切れを、隙間を開けて張り付けたものである。ミカンは既に段ボール箱だった。

いちごスプーン

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