私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

足踏みミシン


 3年上のいち子伯母をいつもお手本にして生きてきた母は、結婚後も彼女のまねをし続けた。日曜日に洋裁学校に通って、近所の人の洋服を縫う内職を始めたのも、その一つ。当時既製服は『首つり』と呼ばれて、見下されていた。見るからに安物だし、ぴったりのサイズがないし、同じ物を着ている人に出会うしと、すこぶる評判が悪く、オーダーメイドが当たり前の時代だったので、割安で注文を受ける母は感謝されたらしい。
 当時高価だった足踏みミシンを安サラリーマンでけちの父が購入したのは、私には不思議だ。生活必需品とみなしたのか? 結婚の際に手渡す嫁入り道具の目録にミシンが書かれていたのに、持参しなかったことを父は怒っていたそうだ。井村家の方は、目録の体裁を整えるために書いただけで、事実と違っても構わないと考えていたらしい。いち子伯母が仕事に使っているミシンを持っていけるはずもないし、母用に新しく購入する余裕などもちろんない。

千葉県立中央博物館のサイトより


母は裁ちばさみを「こんばさみ」と呼びます。「こんばさみ」という言葉は、辞書はもちろん、インターネットで探しても見つかりません。方言でしょうか?

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