私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

男女同権

 小学校で、『男女同権』という言葉が流行した。男子が身勝手なことを言うと、女子が「男女同権やで」と言い返す。戦後の新憲法に因って初めて保障された女性の権利なので、それまで制約の多い生活を送ってきた日本の女性は『男女同権』をよく口にし、それを子供達もまねていたのだろう。小学生の私自身は性差別に鈍感で、女に生まれて損したと思うことはなかった。男の子は考えが幼稚で、口できちんと主張できずにすぐに暴力を振るうし、絶えず体を動かしていて落ち着かない。《『女子供』とゆう言葉だけあって、『男子供』がないのはなんでやろ?》 精神年齢の低い男子こそ、小さな子供と一緒の範疇に入れるのがふさわしいと思った。女子の集団に入って遊ぶのも苦手だが、男子の集団に入って一日中走り回っているなんて真っ平。それに運動能力の劣る私はいじめの標的になるにちがいない。本当に女でよかった。
 私と違って、男子に交じって野球やサッカーをやりたい活発な女の子は、仲間に入れてもらえず悔しかっただろう。「女のくせにお転婆やな。おしとやかに女らしくしていなさい」といつも女らしさを強要されている子も不満を感じていただろう。男児には教育熱心な家庭でも、女児は勉強より家事手伝いを優先させる親が当時は多く、勉強中の息女に容赦なく、何々を急いで買ってきてとか、夕飯の支度を手伝えとか命じる。

イラストACより

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