私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

跳び箱

キリコ

一度筋骨隆々の若い男の先生が、体育の授業を吉村先生の代理で行ったことがある。跳び箱を強引に跳ばせた。高さの異なる跳び箱を数個用意し、自分の跳べる段の跳び箱に並ばせて、どんどん跳ばせる。全く跳べない女子が7、8人いて、一番低い跳び箱に集まった。もちろん私もその一人。皆跳び箱の上に座る。跳び越えられないから。しかし繰り返すうちに跳べる子が出てきて、何回か跳んで自信をつけると隣の列に移動してしまう。私は上達する意欲がないので毎回跳び箱に馬乗りになっていたら、次第に人数が減っていって、ついに2人になってしまった。自分だけ残ったらいやだとにわかに真剣になる。もう1人も同じ気持ちになったようだ。彼女が初めて跳べた直後に、必死の私も跳べた。その後は2人とも失敗せずに何回か跳び続けることができたが、数回跳んでいるうちに油断したせいか、私は尻を跳び箱の端にぶつけた。痛かったので跳ぶのをやめた。まもなく終鈴が鳴り、以来今日まで一度も跳び箱を跳んでいない。中学校でも高校でも跳び箱の授業は常に馬乗り。跳び箱を跳べなくてもその後の人生に不便はないだろうから、跳び越える意欲が湧かない。


   

   イラストボックスより

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