私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

研究発表会

キリコ

 吉村先生は、作文の時間を毎月設けたり、研究発表会やパーティーを学期に1回くらい開いたり、カリキュラムを自由に逸脱して楽しんでいた。兵庫県のK小学校の南先生が中学入試を目指して頑張っていたのと大違いだ。S小学校は単元の修了ごとに市販テストを実施しており、業者が採点するので、それには縛られているかも。私が社会のテストで明石の東経を『35度』と書いてしまって、提出後に間違えたと悔やんだら、返ってきた答案は『135度』になっており、100点だった。『1』だけ鉛筆の濃さも筆跡も違うので、後から付け足したことが丸分かり。吉村先生は自分のクラスの成績を上げたかったのだろう。他クラスとの競争があるのだろうか? 業者は児童の順位なども出していると憶測するが、私達は何も知らされなかった。

 研究発表会では、前述の『握りずしの食べ方』のような楽しいテーマの発表もある。私は毎回発表者になり、そのたびに模造紙にマジックインキで書いた資料を黒板に貼った。当時は今と違って、油性マーカーは寺西化学工業のマジックインキだけだった。私の発表内容を思い出すままに列挙すると、まず発電について:日本は『水主火従』といって、電力供給のメインは水力発電で、火力発電が水力発電を補っている。当時は原子力発電も太陽光発電もなかった。水力発電にはダム式と水路式があり、父の会社の日本軽金属は水路式で発電している。私はそれまでダム式しか知らなかった。飛行機の機体はジュラルミン:ジュラルミンはアルミニウムの合金で、軽くて、強くて、腐食しにくい。アルミはボーキサイトという鉱石を輸入して電気分解で精製する。日本の造船業は世界一盛ん:なのにリベリア船籍の船が世界一多いと書かれている。リベリアなんて聞いたこともないアフリカの小さな国なのになぜかと父に尋ねたら、税金が安いからリベリアの所属にしているのだと教えてくれた。私の発表はいつも、図書室の本の丸写しと父の助言に終始。発表後に蓮田君から、「質問しようと思って一生懸命聞いたんだけど、よく聞こえなかった」と言われたことがある。私は人前で大きな声が出せない。家に帰ったら家族や友達と大声で怒鳴り合うのに。私の発表内容を理解してくれたのは吉村先生だけかも。

マジックインキ:Wikipediaより

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