東京の生活2 食品
食料品は駅前の大通りに並んだ個人商店で買う。T市では市場があり、その中に個人商店が集まっていた。東京の店は天井からゴムひもでつるしたざるに金が入れてあるのが面白い。客と金の授受の際にざるを引っ張り下げる。T市の市場の店より客が混んでいるから、素早く釣り銭を渡せるようにしているのだろう。
東京では『肉』は豚肉を指すが、母は牛肉を貫いた。ネギは関西では先の緑の部分を食べるのに対して、東京では根元の白い部分。一番嫌なのは納豆で、我が家の食卓に上ったことはない。結婚前に数年間東京住まいだった父だけはおいしそうに食べるが、私は粘々が気持ち悪い。山芋やメカブやワカメなどの粘々は好きだけど、納豆、モロヘイヤなどは駄目。私の子供達は関東育ちなので給食で慣れていて喜んで食べる。栄養満点の納豆を食べようと20年くらい前に決心し、冷凍保存することにした。まだ粘りが出ない半解凍のうちにかじって食べる。冷凍保存すると賞味期限を気にせずにすむのもありがたい。1日置きに夫と2人で1パックを夕食時に食べる習慣にしている。
ガムは、関西ではハリスだった。東京はロッテ。ハリスの風船ガムをよく買ってもらって、膨らませて遊んだ。私の子供達は風船ガムを知らないかも。『チューインガム』から『ガム』に呼称が変わったのはいつ頃だろう? 大阪で進駐軍のお兄さんにもらっていた頃は『チューインガム』だったし、T市に転居してからもしばらくは『チューインガム』と呼んでいた。東京に転居したときは既に『ガム』に変わっていたように思う。
納豆:Wikipediaより