私は団塊の世代

団塊の世代の私が生きてきた時代を振り返ってみようと思います。私の記憶の間違いをご指摘くださるとうれしいです。

エリザベス・テーラーとオードリー・ヘプバーン

キリコ

 真理子が4歳くらいになると、コーラを好む彼女に春江は毎日好きなだけ飲ませる。「飲み過ぎでしょう」と私が横から注意しても、「真理子はコーラが大好きやねん」と言う彼女に、「そうや、好きやもんね」と春江は同調するだけ。「大人になっても真理子は毎日飲むのや」と私に宣言した。しかし彼女は自分の子供達にはコーラを制限し、もう自分もがぶ飲みしない。同じく幼児だった翔子と妹の聖子が菓子パンを欲しがったとき、洋子は「菓子パンは高いから駄目」と食パンしか買わなかった。洋子の姉のいち子伯母は、「菓子パンぐらい買うたげたらええのにね」と中学生の私にささやいたが、栄養面を考えて洋子が許可しないのだと私は理解した。
 真理子が幼稚園に通うようになって夏休みの宿題に天気の記録が出ると、お手伝いさんが毎日記入した。ところが小学生になって、時間のかかる宿題が出されたときは、深夜までかかっても終わらせる子供に育っていた。春江は「もうやめて寝よし」と何回も言ったが、最後までやり通したとのこと。「非常識な先生やろ」と私にぼやく春江と大違いだ。洋子は幼児の翔子に毎日絵日記を描かせた。文は洋子が書く。私も翔子の絵に合わせて文を書いたことがある。翔子は学校に上がっても作文が苦手だったようで、日記はいつのまにか付けなくなった。寝転んで本を読んでいる翔子を注意しない洋子に、私がなぜかと問うと、本をあまり読まないから、読んでいるときはうるさく言わずに好きな格好で読ませていると答えた。私の父は近視を恐れて良い姿勢を強要したが、洋子妻夫は2人とも目がいいので近視に無頓着なのだろう。翔子は国語が苦手らしかったが、弁舌は立ち、リーダーシップも高い。
 真理子と翔子の2人は学校の成績も運動能力も優れた子供に育った。春江は放任主義で、洋子は教育熱心。華やかな春江はエリザベス・テーラーに似た美人だと前に書いたが、洋子はオードリー・ヘプバーンにそそとした雰囲気が似ている。どちらも子供第一の人生を送った点は共通している。2人の子育てを見て、育て方より生まれつきの方が影響が大きいとつくづく思う。私の2人の子供を見ても、生まれつきだなと思う行動が多い。洋子も孫とは大らかに接する。頑張って育てても頑張らなくても成人すれば大差はないと気付いたのか、孫に対しては育児の責任がないからか?

洋子叔母と翔子       春江叔母

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