リリアン編み機
クリスマスプレゼントを家族で交換したことは全く覚えていない。マイコと2人でためた100円であめを買い、カラフルな包装紙に包んで両親にあげたと書いてある。母からは、ままごとの道具とまりとあめやガムの入った靴下をもらった。物心がついたときからサンタクロースは実在しないと父に聞かされているので、この年は家族どうしで贈り合うことになったらしい。
2年生のクリスマスにキューピーをもらったことはよく覚えている。将来母親になるのが夢だった私は、小学校高学年までキューピーを赤ちゃん代わりにかわいがった。キューピーを抱いていると母親気分になって楽しい。キューピーの水着を毛糸で一生懸命作った。母は布の端切れは小さいのしかくれないが、毛糸は古着をほどいたものをケチらずに渡してくれる。キューピーは腹が膨らんでいるから編み目を増やしたり減らしたり苦労して、体にぴったりの水着を作ることができた。母は私が意図的に編み目を増減したと思っていない。ミスで目の増減が生じたと思っている。
母が編み機を買った日がこの日記帳で判明した。それまで家族のセーターやカーディガンを手で編んでいたのが、キャリッジを左右にスライドさせるだけであっという間にできあがる。もちろん母は私に編み機を触らせない。壊れたら困るから。ミシンはときどき使わせてくれたけど。
同じ頃女の子の間でリリアン編みがはやっていて、私もリリアン編み機を買ってもらった。現在のプラスチック製と違って木製だが、形と大きさは同じである。らせん状に編んで中空のひもを作る。私は右向きと左向きに交互に編み、長方形を作る方法を考えたりして楽しんだ。
リリアン編み機:イラストACより